ミュージカル『アナスタシア』の大阪公演が一部中止となりました。
以前の記事(公演中止ラッシュ!今は耐えることしかできない…… - 生活能力ありません)の時点ではまだ上演予定でしたが、その翌日には中止を決定。
ああ、こんな一瞬で状況って変わってしまうんだなあと改めて実感しました。
日程的に別の公演へ振り替えることも難しく、今回は断念せざるを得ません。
本当に本当に辛いです。(追記:4月8に全公演の中止が発表されました。)
今回は自分の心の整理の為に、『アナスタシア』という作品について少しお話したいと思います。
アナスタシアとのかかわり
『アナスタシア』との出会いは1997年上映のアニメ映画でした。
母に連れられ映画館で鑑賞して以来心を奪われました。
その後VHSが発売されると母に頼んで買ってもらい、毎日毎日妹と鑑賞しては歌や台詞を真似していました。
ただ、当時は作品の時代背景等がよくわかっていなかったため、単純に勧善懲悪+恋愛ものの映画として楽しんでいました。
それはそれで楽しいですが、『アナスタシア』はロシア革命によって倒れたロマノフ朝の皇女「アナスタシア」生存説をベースとした作品です。
そのため時代背景を知った上で観た方がより楽しめるかと思います。
これから作品に触れる方もいらっしゃるかと思うのでネタバレは避けますが、ざっくり説明すると記憶喪失の女性「アーニャ」と「アナスタシアに似た女の子を本物と偽って賞金を貰おう」と目論む男のお話です。
また、本作で最も良いのはなんといっても音楽です。
なんと第70回アカデミー賞にノミネートされています。代表曲「Journey to the Past」や「Once upon a December」は子供のころからずっと耳に残り口ずさむことができます。
ミュージカル版ではどんな日本語訳になっているのか、加えて映画にないオリジナル曲があるので非常に楽しみにしていたのですが……。
ミュージカル化
さて、幼少期に何度も何度も観た『アナスタシア』ですが、家にVHSしかなかったこともあり、大人になってからは殆ど見る機会がありませんでした。
そんな中2017年にブロードウェイでミュージカル化するという記事を偶然目にします。
その瞬間頭の中で当時の記憶が一気に蘇りました。
それこそ映画『アナスタシア』序盤の某シーンのごとく。
気づいたらその日のうちにブルーレイ版を購入していました。
あの頃のように何度も何度も繰り返し鑑賞しました。
「いつか日本版が上演される日が来るかもしれない」という夢を抱きながら……。
ミュージカル版とアニメ版はベースは同じでも別の作品であると認識していました。
というのも登場人物に決定的な違いがあったので(これについては先日、無事東京公演を観劇できた妹からはっきりと「別物である」という旨を聞きました)。
それでも良い。私は目の前で動くアーニャが観たいんだ!あの歌が聴きたいんだ!という一心でした。
そしてついに夢見ていた日本版の上演が決まりました。
嬉しすぎてチケットは先行で購入。もちろんS席確保です。
嬉しくて嬉しくて、毎日のようにブロードウェイ版のサントラを聴きながら、この日が来るのを生きがいにずっと過ごしてきました。
公演中止に
そんな中2020年1月、新型コロナウィルスの存在が明らかになります。
以下ざっと私の心情を時系列書きたいと思います。
1月:新型コロナウイルスが話題に。まだ事の重大さをあまり認識せず、「大変だなあ。予防しとこう。」くらいの感覚。
2月上旬:世界各地でウイルスが広まりつつあるのを認識する。
2月下旬:各種イベントの中止が相次ぐ。『アナスタシア』の東京公演も一部中止が決まる。この時点ではまだ「大阪公演までには多少好転してるだろう」などと呑気に考えていた。
3月上旬:感染力の凄まじさ、世界中の死者数の増加を認識する。
3月下旬:『アナスタシア』大阪公演の中止を覚悟する。
4月3日:『アナスタシア』一部公演の中止決定を知る。
こうやって見ると1月~2月の自分の呑気さには呆れます(当然手洗いうがいマスクはしていましたが)。
こうやって呑気に考えていた人は私だけではないと思います。
私みたいな考えの人がいるから感染が広がっていったのかな……と思うと申し訳なさでいっぱいです。
公演中止に関しては覚悟はしていたつもりです。
それでも本当にショックで言葉が出ませんでした。
涙が止まりませんでした。
冒頭でも書きましたが、仕事の都合上別の日程を急遽取るという選択肢は取れません。
そもそもその公演すら無事上演できるかわかりません。
今はいつかあるかもしれない再演を祈るのみです。
幸いパンフレットはオンライン販売するとのことでしたので、払い戻されたお金はグッズの購入やその他舞台関係のことに全て使いたいと思います。
私に役に立てるのはそれくらいしかないので……。
一日も早いコロナウイルス終息を、そして再び純粋に舞台が楽しめる世界になることを、心より祈っております。